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座位時間減少プロジェクト

日々の何気ない行動が、糖尿病を増加させる

 座位時間減少プロジェクトは長時間の座位による糖尿病、心疾患、脳血管障害などの生活習慣病から、日本人を守るプロジェクトです。近年、長時間の座位は複数の生活習慣病のリスクとなると知られつつありますが、日本では政策が進行していません。

 座位(座っている事)が多くの疾患発症のリスクである事は古くはロンドンバスの運転手の心筋梗塞の発症率が車掌に比べて2倍である事から(Morris JN et al., 1953.) 、何らかの機序により座位時間が疾患の発症に関わっていると推察されていました。それ以降、多くの疫学的、観察的研究により、座位時間そのものが糖尿病、高血圧、脳卒中、がん、全死亡などを増加させる事が知られてきています。特に運動量やBMIなどの変数で調整を行った疫学研究でも、座位時間の増加が糖尿病や高血圧(George, E., Rosenkranz, R., & Kolt, G., 2013.)、冠動脈疾患、脳卒中(Chomistek, A. K. et al., 2013.)の発症に関連していることが知られており、運動をしていても、適正なBMIであっても、長時間の座位は疾患発症のリスクであるとされています。実際に、41研究をレビューしたメタアナリシスでも、運動量に依存せず、糖尿病発生率、癌死亡率、心疾患死亡率などが座位時間の増加に従って上昇することが知られています(Biswas A. et al., 2015.)。この研究では座位時間が長時間(一般に1日8時間以上)の人では糖尿病の発症リスクは91%増加すると報告されています。ゼミの調査では、既存の研究から日本人に当てはめて人口寄与危険度を計算した場合、11.4%となり、これは日本の糖尿病の発症のうち約11%が座位時間によって説明されることを表しています。

 私たちのチームの調査では、多くの国では座位時間減少の為の対策・政策が進んでおり、OECD諸国の半数が何らかの啓発活動、政策を実行している事が分かっています。さらに対策が進む国では、自国の研究が政策や報道、啓発に結びついている事が調査の結果判明しました。しかしながら医学論文検索サイト「pub med」を用いた検索では、日本での研究は殆ど同定されず、またそれらも政策立案に有効なエビデンスとはなっていませんでした。結果、適切な政策を実行に移すためには、日本発の研究が必要と考えられ、現在このプロジェクトは大学と協力し、日本における座位時間と疾患発症に関する研究を立ち上げようとしています。

座位時間減少プロジェクトはELCAS(リンク先は、http://www.elcas.kyoto-u.ac.jp/

という京都大学の起業プログラムにも協力しております。

参考記事:答えのない授業、高校生挑む 京大で開催 「若い発想大切に」

(リンク先は、http://www.kyoto-np.co.jp/education/article/20160829000135

このプロジェクトに取り組むゼミ生のインタビュー「医学部生だからこそ見える瀧本ゼミの魅力」も是非ご覧ください。

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